私の平家物語

平家物語への私見である

私の平家物語

さて清盛の父,忠盛もなかなか面白い男である。忠盛が備前の守であるとき、33間の御堂を建て、一千一体の御仏を据え申した。鳥羽上皇は感心して、内裏の清涼殿の昇殿を許された。公卿、殿上人たちはこれをねたんで,忠盛を殺そうとする。


忠盛は大きな鞘巻きを用意して束帯のしたにだらしげにさし、火の薄暗い方に向かって
おもむろにこの刀を抜いて,鬢の毛に引き当てられたが、それが研ぎ澄ました氷の刃のように見えた。人々はじっと目を澄ましてこれを見守った。
忠盛は役者だと思うし、その場にいた人たちは目を澄ましてこれを見守るわけだが
芝居でも見ているような面白さがある。笑いだしたくなる情景である。

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平清盛のおごり高ぶりはやがて滅びへと向かっていくのだが、ここで面白い逸話がある。
清盛公がまだ安芸守であった時、船旅で大きなスズキが船の中に飛び込んできた。
先導の修験者が「これは熊野権現のご利益です。急いで食べなさい」と申したので
「昔、周の武士の船に白魚が躍りこんだそうだ。これは吉事である」と清盛は言って
料理して家の子、侍どもに食べさせた。
そのせいか、以後、吉事ばかり続いて太政大臣と言う極位まで上った。


この逸話は面白い。現実の世界から超えたものから来ていて、人生にはこうした奇跡的なことがまれに起きることがある。


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祇園精舎の鐘の音は諸行無常の響きを立てる。おごり高ぶった人も、末長くおごりにふけることはできない。ただ春の夢のように儚いものである。


これは真理であって反駁するものはない。そのとうりでございますと言うしかない。
人生は本当に儚い夢のようなものである。



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