私の平家物語

平家物語への私見である

私の平家物語

さて清盛の父,忠盛もなかなか面白い男である。忠盛が備前の守であるとき、33間の御堂を建て、一千一体の御仏を据え申した。鳥羽上皇は感心して、内裏の清涼殿の昇殿を許された。公卿、殿上人たちはこれをねたんで,忠盛を殺そうとする。


忠盛は大きな鞘巻きを用意して束帯のしたにだらしげにさし、火の薄暗い方に向かって
おもむろにこの刀を抜いて,鬢の毛に引き当てられたが、それが研ぎ澄ました氷の刃のように見えた。人々はじっと目を澄ましてこれを見守った。
忠盛は役者だと思うし、その場にいた人たちは目を澄ましてこれを見守るわけだが
芝居でも見ているような面白さがある。笑いだしたくなる情景である。