私の平家物語

平家物語への私見である

祇王

「現世の栄華は夢の中で夢を見るようで儚いものです。どんなに裕福になり栄えても
何にもなりません」と言う仏御前の言葉は胸に染み込むように深い。
「一緒に往生を願いましょう」と言って祇王、母と自、妹、仏御前の4人は同じところにこもって念仏を唱える。
死期に遅い早いの差はあったが、4人の尼たちはみんな、往生の本望を遂げたのである。
ここまで平家物語を読んでくると、冒頭の驕り高ぶった人も、春の夢のように儚いものであると言う言葉からくる滅びの文学のイメージとはかなりかけ離れているようである。
仏教の深い所を述べているわけで、読胸側も救いを感じるわけである。
この祇王の章では人間の生き方を述べているので、冒頭の滅びのイメージは消えてしまうのである。


http://blog.net/link/?1990679